<リンク:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091830218/misosoup-22/>{左:4091830218.09.

}リンク>先週文庫版を10冊大人買いしました、<リンク:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091830218/misosoup-22/>細野不二彦『ギャラリーフェイク』リンク>。
面白かったー。
面白かったけど、漫画読みとして言いたいことがないではないのでちょいと言わせていただくわ。
話は、ブラックジャック・ミーツ・美味しんぼ。の、美術版。
主人公フジタは一流の美術鑑定眼を持った、かつてはNYの大美術館の学芸員として名をはせていた画商。とある事件で美術館を追われたため、今では贋作のみのギャラリー「ギャラリーフェイク」のオーナー、裏では盗品を高値で売りさばく「悪徳画商」である。(このへんブラックジャック)
フジタと彼を慕うアラブの大金持ちの少女・サラを中心に、美術品をめぐるさまざまな事件をうんちく付きで解決してゆく一話完結型のストーリー。(このへん美味しんぼ)
わたしは薀蓄系漫画が好きで、その上これは題材が美術なもんだからとてもその面は興味深い。美術入門がこの漫画でできるもの。原作者なしでこのストーリーを動かすのは、よくがんばったって感じだし。
この漫画を読ませるのはそういう美味しんぼ的な面で、それはみたらわかるんだよ。それだけでじゅうぶん面白いから。
でも、わたしはストーリーが弱いと思った。娯楽作品としてはよくできてるけど、作品としての完成度、芸術作品としてはいまいち、でした。個人的には。
なぜってまず、ストーリーを通した主軸が見出しにくい。ブラックジャックはどんだけ金とっててもけっきょく人の命を救ってるから、「わたしはガメツイ強欲医者だぜ」「わたしのような軽蔑される人間にはなるな!」って台詞も独特の意味合いをもつんだけど、フジタの場合そうじゃなく。普通に人に贋作を高値で売りつけて、(見る目のないヤツが悪いって話はわかるが)それで「俺は嫌われものだ」「俺は悪徳画商だぜ」といわれてもその通りだって話よね。読んでて「そんなことないのに!」とか「フジタかわいそう!かなしい!」ってならない。そんでブラックジャックがモグリ医者になった理由はとても悲壮で、原動力たるにじゅうぶんなんだけどフジタが汚い仕事をしている理由がなあ…いまいち弱いんですね。「なんでそんなことで」って思っちゃう。他人(敵役)⇔他人から見たフジタ/読者・サラ側のフジタ⇔読者っていう関係性の距離感がつかめないの。なんか軸がふらふらして一貫した主張がないから把握できんのだ。だから、フジタのヒーロー性が薄すぎる。ピノコとラムちゃんのあいのこみたいなサラっておきまりの美少女までいて、これは問題じゃないかしら。おかげで感情移入がしづらいったらないわ。それにそのあたりの理由からか、フジタの性格もいまいちよくわからん。完全にBJキャラなのか、もうちょっといい加減な人間なのか、どういう信念に基いて行動してんのか。わかんねえ。とりたてて大金が必要な理由もなくて、美術界の表舞台を恋しがってるのに戻れるチャンスをふいにする意味がわからない。何がそうさせてるのかわかんないから、悲壮感もなくて感情的にはなんの動きもないんだな。このあたりの点がすごく気になったから、これは美術にカケラも興味がない人にはぜんぜん面白くないと言われてもしょーがないような気もします。主人公には感情移入したいもんなあ。余談ですが、このギャラリーフェイクのアニメの作画を見て母が絵がひどいと言っていたので、原作はうまいの?と聞いたところ「にくまる君の人やけんうまいよ!サラはまこちゃんと同じ顔しとらんといかんのに全然ちがうがね」と言っておりました。ほんとにサラはまこちゃんとおなじ顔してますね。それにしても親子2代おたくって愉快だよね…会話が。ちなみにうちの母は『ガロ』を毎月買っていた人です。手塚治虫がチャンピオンとかで連載してたような時代の漫画の話をすると大概全部知っていてこわい。